「いつ奥さんと別れてくれるの? 私と結婚してくれるの?」「そのうち何とかするから、もうちょっと待ってて…」
そんなやりとりが延々と続くことも、そのまま修羅場になり、ジ・エンドということも多い、不倫関係。
しかし、数は少ないですが、実際に離婚 → 結婚という結末を迎えるケースもあります。
世間からはスキャンダラスに略奪愛と言われても、悪女にされても、本人にとっては待ちに待ったハッピーエンド。のはずが、そうばかりとも言えないようです。
M子(現在40代)のケースを紹介します。
念願の妻の座に幸せの絶頂
30代の頃から不倫関係を続けてきた彼(8歳年上)が、とうとう離婚を決意。財産分与、慰謝料の支払い、子どもの養育費の話し合い、新居への引越しなど、怒涛の日々を経て、愛する彼との新しい生活をスタートしたM子。
念願の妻の座を手に入れて、「やっとこの日が来た! やっぱり彼は私を愛してくれていたんだ…」と、幸せの絶頂を味わいます。また、彼が自営業だったため、その手伝いで仕事も一緒にするようになりました。
「まさか本当に離婚、結婚するとは」と、周りはやや引き気味だったものの、元々人付き合いのいい彼女の仕事面のサポートぶりもあって、周囲の理解も得られました。
生活も仕事も順調。何も言うことはなかった、はずでした。
結婚=生活で見えた現実
増えるイライラ
最初のウキウキ期間が過ぎると、「あれ? 彼ってこんな人だっけ?」と思うことが増えていきました。例えば、家事を全くやらない。仕事を終えて一緒に家に帰ってきても、ソファにどかっと座ってテレビをつけ、食事ができるのを当然のように待っている。洗濯物がたまっていても知らんぷり。お金についても案外細かい、等々。
不倫関係の頃は限られた時間しか一緒にいなかったため、いいところばかり見えていたのが、一緒に生活することで、色んなアラが見えるようになったのです。
長く付き合って来たし、自分のマンションに泊まりにきたり、何度か旅行に行ったりもしていたので、彼のことは理解していたつもりだったのが、やっぱり生活を共にすることとは違っていました。段々小さなことにイラッとするように。
加えて、以前は彼の気持ちを何とかこちらに向けさせようと、かいがいしくお世話をしていた自分自身の変化もありました。
安定した日々に物足りなさが
刺激を求めて
とまあ、そこまでは普通の結婚にもありがちなこと。小さな不満を抱えながらも何となく過ぎていくようにも思えたのですが、さらに意外な変化が。落ち着いた生活に「なんだか物足りない」と感じる自分がいたのです。
あんなにも燃え上がった好きでたまらない気持ちが、いつの間にか萎え、求め合っていた体の方も、毎日一緒にいられるとなったらマンネリ化。
そのうち時々一人で飲みにいくようになり、そんな中で知り合った一人と男女の仲、不倫関係になりました。その彼とは長くは続きませんでしたが、次々違う男性と不倫を繰り返すように。なかには夫としょっちゅう顔を合わせる仕事関係の人とも…。
今現在、M子は結婚生活を解消するつもりはなく、あくまで遊びと割り切って、“家庭外”に刺激を求める毎日を送っています。
抜け出せない不倫の罠
このケースから改めて見えるのが、不倫の罠。
道ならぬ恋だから、燃え上がる。人のものだから、手に入らないと思うから、余計に欲しくなる。不倫にはそんな罠があるということです。
その刺激はかなり強烈。一度味わってしまうと、普通の恋愛、穏やかな結婚生活では物足りなく感じるようになり、刺激を求め続けてしまうのかもしれません。
最後に
今、M子は幸せなのか。不幸せなのか。実は本人もよくわかっていません。ただそこにある現実は、思っていたのとは違うものでした。
奥さんと別れて、自分と結婚してほしい。そうすればきっと幸せになれる。
そう一心に願ってしまう不倫の恋。願いが叶う確率は決して高くはありません。さらにもしそれが叶っても、予想外の展開へと進んでいく可能性も。
それでもその恋を貫こうとするのか、しないのか、選ぶのはあなたです。
ライタープロフィール
- 積み重ねてきた経験から、失敗もたくさんしながら、見えてきたことがあります。恋に、愛に、悩める皆さまの幸せを心より応援します。
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