一人息子は独占できない?! 待ち望んだ結婚の条件は、一生、彼とその親族の家業を手伝い、運命共同体になることだった。結婚相手は彼しかいない。でも私にはやりたかった仕事もある。釈然としない私。

一人息子は独占できない?! 待ち望んだ結婚の条件は、一生、彼とその親族の家業を手伝い、運命共同体になることだった。結婚相手は彼しかいない。でも私にはやりたかった仕事もある。釈然としない私。

お悩み

一人息子は独占できない!?

彼とは高校の同級生。

久しぶりの同窓会で仲良くなり、大学は別々でしたが、交際がみのり、彼がプロポーズしてくれました。

彼が一人息子なのは学生時代から知っていて、3代続いた全国にも名の知れた老舗の佃煮屋さんなのも知っていました。
だから彼が大学もバイオ系を選び、これからは時代の波に乗り、新しい分野にも介入して新商品の改革をしていきたいという大志を聞かされていました。

今の時代、やりたいことがわからない男性が多いなか、しっかりした目標をもつ彼が、誇らしくもみえ、まぶしささえ感じたものです。

 

私は、小さい頃から化学が好きで理系を選び、大学を卒業しても研究室に残りたいと思っていたので、教授に相談のうえ、就活はしませんでした。

彼が両親に会わせたいと言ってくれた時は、本当に嬉しく「私達も娘を欲しかったのよ」と相手の両親が言って下さった時は、いいご縁に恵まれたと実感しました。

その後、私の両親との交流も進み、結納まで進むのはアッという間でした。

私は、両親にとって遅めに生まれた娘で、彼との結婚は「玉の輿」と喜んでくれました。

早く嫁に行き孫の顔を見せて欲しいというのが本音だと思います。。

 

大学の研究室にも慣れ始めたころ、私は彼のお母さんから晩ごはんに誘われ、家族同然の和やかな雰囲気のなか、結婚式の日取りや新居の話が切り出されました。

新居は、彼の実家の敷地内に建ててくれるとかで、ほぼ出来上がった設計図を見せられ、「なにか注文があったら、遠慮なくいってね」と、有難い言葉をかけられ、ビックリ。

ですがそのあと、代々彼の家では、嫁が会社の経理をみるのがしきたりなので、

「結納もすませたことだし、婚約中でももう嫁と同然。この家に通って、早く仕事を覚えて欲しい」

と宣言されました。

私にとつては、晴天の霹靂です。

 

彼自身は「あくまで君の好きなようにしていいんだよ」といってくれるのですが、結婚すれば相手の家族とも一生運命共同体になるのかと、そこまで考えていなかった私は、正直どうしていいかわからない状態です。

 

 

Counselor's Advice

結婚は一族の運命共同体になること?

メールによると貴女はその後、やはり研究所をやめ彼の会社に通い始め、お義母さんの元で経理の勉強を始められたとのこと。

 

ただ、彼の会社は、時間が止まったように昔からのしきたりそのままで、社長はお義父さん、常務も叔父さんで、現場管理は叔母さんという典型的な親族経営という状態ですね。

ですからあれほど、意気満々だった彼は次期社長というものの、現状では末席で雑務をこなし、上部には意見が言えない雰囲気だとか。

それでも経理をこなしておられるお義母さんは、社員一同から一目おかれ、会社の要として頑張っておられるようですね。
どんな会社でも、経理を担当する者は、経営そのもの、会社全体が把握できるので、一目も二目も置かれる存在なのです。

老舗と呼ばれるタイプの日本の会社は、今でも、そういう所が多いと聞きます。

 

だからこそ幸か不幸か、親族経営の会社でも、かなりの権力を持つお義母さんは息子の嫁となる貴女にこれまでのご自分のポジションを譲ろうと、気を入れて教育されようとしています。

次期社長の嫁である貴女に、頑張って息子を支えてほしいというのは、母親なら当然望むところでしょう。

 

貴女達と育ったゼネレーションが違う双方の両親には、食べるに困らない家で大黒柱となる息子の嫁が、家庭に入っても夫と違う職業に就くということ自体、考えられないのでしょう。

結婚が最終就職であった年代では、それ等の慣習に何の疑問も持たなかったかもしれません。

とはいえ、最近では一人息子だから家業を継がなくてはならないとか、親をみなければならないといけないといった家族のカタチも少しずつ変わってきました。

ただやはり、依然、結婚は運命共同体であることには変わりありません。

 

流されずに、状況を分析する

貴女はこの段階まで、まわりの強力な意志に圧倒され、流されてきたように思います。

それも、貴女が彼を深く愛しておられるからでしょう。

ただ、どこか自分では、納得しかねるところがあるから、こうして私にメールを下さったのだと理解します。

自分がやりたかったのは商家の経理ではなく、研究所に残ってもっと研究し論文をどんどん書き、自分自身を社会に評価してもらいたかったのかもしれません。
さらには急激に進んでいく化学そのものの奥深さに、興味津々だったのでしょう。

少なくとも。今の貴女は「自分のいる場所は、ここではない!」という強い反発があるように感じます。

「恋などするんじゃなかった」とさえ思われることもあるとか。
でも反面、彼とは結婚したかったのは事実でしょう。
では、彼と結婚し、自分は自分で好きな道を選択することは、そんなに無理なことなのでしょうか?

 

「君の好きなようにしていいんだよ」といってくれるものの、貴女には彼の本心をわかるからこそ、断れないのだと、私は思います。

でも、貴女の本音はそこにはないことも事実ですね。

だから、お義母さんが熱心に貴女に会社のやりくりを伝えようとしても、うつとおしく感じられるのでしょう。

なんで、私がやらなければ・・という思いがあるからこそ「やらされ仕事」になってしまうのです。

どんな仕事でも「やらされている」という感覚を持つ限り、やることなすこと楽しくないばかりか、本当の自分の人生を歩んでいない精神状態です。

 

ならばこそ今ここで、立ち止まって貴女はよく考え、はっきり決断しなければな
らないと、私は思います。

それは、貴女の人生は勿論、彼やそれを取り巻く親族一同の人生もからんでくることだからです。

 

 

やりたい未来は見えていますか?

貴女は、確かに将来のことについてこれまでかなり考えてこられたと思います。ただ、目先の事だけではなく、5年先、10年先の自分のありかたをしっかり見据えたことがありますか?

自分の好きな分野で研究に没頭するのは確かに、楽しいことです。

ただ、大学の組織も徐々にかわり、可愛がってくれた教授さえ、いつまでおられるかわからない世界です。
各界の研究者は毎年増え、よほどのバックボーンや特別な目標がないかぎり、准教授になるのことも難しいのが現状です。

その競争に勝ち残るため、やむなく結婚さえ諦める女性も多いと聞きます。

そこまでしても、貴女はやはりこの世界に自分を置きたいと覚悟しておられるのでしょうか?
天職と感じる自分の仕事は、どんな仕事でどうやって実現できるのでしょうか?

さらに現状に話をしぼりますが、貴女は今の彼の会社の雰囲気が全く自分とあわず、息苦しく感じておられるのでしょうか?

どんな会社でも、途中入社は、プレッシャーを感じるものですが、頂いたメールでは、お茶の時間など叔父さんも叔母さんもお菓子を持ってきてくださるほど、打ち解けようとして下さっている様子です。

一度受け入れようとして下さった彼の親戚の手前、辞めるのは気が重いかもしれません。でも、途中で辞めるよりは、ましです。

絶対いやだと思うのなら、具体的に何がいやなのかを絞り込んで考えましょう。今のうちに判断すべきです。

さらに、かなり現実的な話になりますが、若くして一戸建ての新築を購入することはローンを組んでもかなりハードルが高い話です。でも、将来いずれは欲しくなるはずのターゲットです。自分達の力で頑張るという気負いをすてれば、やはり有難い提案でしょう。

ただそれも、彼の実家と近すぎて息苦しいと感じるなら、早急に建てかけておられる工事をストップして頂かなくては迷惑です。

彼の立場はどうでしょう?

貴女が自分の両親に好かれ認められたことも、事務所で経理を担当してくれることも、大喜びと聞きます。

それでも、「嫌なら言って欲しい」との解答なら、貴女がここ一番を決めるしかありません。

 

自分の人生は、自分で納得して決める!

 

 

「まるで自分だけが追い詰められているよう」と貴女はいわれます。

そう、条件が良すぎて相談する人がいないから、私に相談されたのですよね。

 

でも、やはり、自分の人生は自分でしか決めれないのです。

 

私がアドバイスできることは、貴女の場合は早く状況を分析すること。
判断したら、決してひるがえさない覚悟をすること。
あったかもしれないもう一つの道を絶対ふりかえらないことです。

そして、自分が決めた道を情熱をこめて邁進することです。

 

ただ、こまかな注文は今のうちに家族で話し合っておかねばなりません。
これまでのプロセスで、残念なのは、みんなが善意だとはいえ、コンセンサス(同意)をそれぞれが取ってこなかったことです。

 

親が子に、子が親に、貴女が彼に、彼が貴女に本音をぶつけないままに暗黙の同意でここまできてしまったので、釈然としないのです。

いいにくいことこそ、事前にはっきり話し合っておくことです。

幸い彼は、中立的な態度で貴女と接していてくれるので、まず彼と話し合うこと。

たとえば、月々の給料です。なかには、嫁はいくら働いても無給の可能性もあります。そんな時は彼の給料から、一定額貴女自身の給料をもらいましょう。

次は子育てです。実家が敷地内なので、当然お義母さんが、関与してこられると思いますので、どう育てたいかも彼と初めから決めておかねばなりません。

 

物事を、抽象的にでなく、できるだけ具体的に事前に考えて決めておかれることです。

あくまで、しっかり自分と対峙して、自分の素直な気持ちを伝えましょう。

後悔しない人生はありませんが、少なくとも、自分が納得した人生を選んでいけば、何が起きても受け入れる力がついてきます。

人生は選択で成り立っているともいえるのです。
自分の人生に、自信をもつて歩んで下さい。

ライタープロフィール
占い師 朱龍
占い師 朱龍
人には聞こえない音・人声を見聞きし不思議な出来事を数多く経験する中で陰陽道・密教などを学ぶことにより感性を研ぎ澄ませてきた先生です。
過去にうけた心の傷やトラウマに寄り添いながら、大きな愛で相談者を包み込み、知らないうちに凝り固まってしまった心を優しく解きほぐしていきます。
ひとつひとつ丹念に難問の糸を解き、心のバランスを組み立てなおし、相談者の魂の本質へと近づける環境づくりを致します。
一緒に辛い過去を乗り越えていきましょう。

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